ラテン語な日々

〜「しっかり学ぶ初級ラテン語」学習ノート〜

第1回課題(2020.9.20)

練習問題3-4

Aquila nōn captat muscam.
 (アクイラ ノーン カプタト ムスカム)

 

【学習課題】

名詞と形容詞1

 

【語彙と文法解析】

aquila -ae, f ① 〘鳥〙ワシ(鷲).(以下略)
aquila は第1変化名詞 aquilaの女性・単数・主格(呼格)。ここでは主格で、鷲は。

nōn adv ① ...でない (以下略)

captō -āre -āvī -ātum, tr freq(反復)① つかもうとする.② 熱心に求める, 得ようと努める, 狙う (以下略)
captat は第1変化動詞 captō の三人称単数現在形。nōnがかかるので、否定文となり、(それは)狙わない。

musca -ae, f ① 〘昆〙ハエ(蠅).(以下略)
muscam は第1変化名詞 musca の女性単数対格で、captat の目的語。蠅を。

 

【逐語訳】

Aquila(鷲は)nōn captat(捕らえない)muscam(蠅を).

 

【訳例】

鷲は蠅を捕らえず。

 

(古典の鑑賞)

※過去に担当した際の再掲です。「格言選集」注文したので、また後日、感想文を書こうと思います。

 

古代ギリシャの諺とのこと。エラスムスが「格言集」で取り上げ、現代では英語でも「Eagles don’t catch flies. 」と訳され、一般的に知られているようですが、恥ずかしながら、私は存じませんでした。(汗)

ネットでは、「武士は食わねど高楊枝」と並べて紹介されてもいますが、私は「鷲」というのはもう少し偉大な人物を意味しているように感じます。

「偉大な人物というものは、小事にかまわない(ので、ささいなことで失敗する)」というもの、何となくうなずけますね。

エラスムスの「格言集」は当初818語の格言が収められたが、版を重ねるたびに拡充されて、最終版では4151語の収録となったそうです。エラスムスは中世以降の教会のあり方への批判的立場から、ギリシャ・ローマの古典に深く学び、本来のキリスト教の教えの真髄を表そうとしたのでしょう。

現代の私たちが、ギリシャ・ローマ古典文学を学ぶ意義も、エラスムスの精神と共通するところもありそうです。

エラスムスの「格言集」は図書館で見つかりませんでしたので、「格言選集」を購入して読んでみようと思います。